電磁波有害説VS無害説

電磁波有害説と無害説のバトルです。ここでは低周波、高周波関係なく戦って頂きましょう。(^^;
古いところでは第二次世界大戦当時にレーザー操作員に白内障や身体不調が続出し、「レーザー捜査員は4時間従事、4時間休憩」との報告書が出たそうです。近年、社会的な問題となったのは1973年のニューヨーク州送電線訴訟が最初だと言われています。その後、超低周波を中心とした研究がさかんに行われるようになりました。
ケータイ電磁波については1993年に「妻が脳腫瘍になったのは携帯電話が原因だ」とアメリカの男性が携帯電話メーカーと販売業者を相手どって損害賠償請求訴訟を起こしたことで一気に社会問題化しました。

有害説
 
無害説
   
1973 ニューヨーク州の電力庁、電力会社がカナダからの電力供給を受けるための76万5000ボルト送電線建設計画に対して、建設予定地の住民側から建設中止を求めて訴訟が起きる。(ニューヨーク州送電線訴訟)
   
1979 米国のウェルトハイマー博士がデンバー市に住む人たちの中で小児白血病で死亡した子供たちおよび対象者が住んでいた所を送電線などの電力施設からの距離で分類し調べた結果、磁界が強かった区分と弱かった区分を比較し、オッズ比(相対危険度)3.0倍という結果が得られた。
   
1988 米国のサビッツ博士が、上記のウェルトハイマー博士と同様の手法で、同地域の小児がん患者を反復調査。オッズ比(相対危険度)2.8倍との結果。
   
1990 アメリカの大衆週刊誌「ニューヨーカー」のポール・ブローダーがコネチカット州のわずか200メートルにある9戸の家に、脳腫瘍や悪性の腫瘍が多発しているというルポ「メドウ通りの災厄」を掲載した。原因は古くからメドウ通りの中央にある変電所とそこから出る何本もの高圧送電線が原因ではないかとした。
   
1992 米国カリフォルニア州のスレーター小学校の副校長が死亡した原因は、学校の近くを通る送電線からの電磁波が引き起こしたガンであるとして親戚たちが電力会社に対して訴訟を起こした。
1993 スウェーデン国立カロリンスカ研究所のマリア・フェイヒティングさんは高電圧送電線から300メートルの範囲内に住む人たちを対象に25年間の追跡調査のデータを収集、分析した結果「小児白血病は電磁界との相関が見られる」と修士論文において発表した。
1993 アメリカCNNテレビで携帯電話メーカーと販売業者を相手どって損害賠償請求訴訟を起こしている男性が出演。「妻が脳腫瘍になったのは携帯電話が原因だ」と訴える。「ウォールストリート・ジャーナル」や「ロサンゼルス・タイムズ」がこの事件を取り上げたために一時は携帯電話メーカの株価が暴落した。
1994 クリントン大統領は「カロリンスカ研究所の調査結果を証明する事実があれば行動を起こさねばならない」と発言。総額5600万ドルをかけて電磁波の生体影響に関連した調査研究(EMF-ラピッド計画)を行うと発表した。「これだけの国家プロジェクトを組むぐらい電磁波は有害なのだ」という論調まで現われた。
1995 テレビ朝日系列の報道番組「ザ・スクープ」で電磁波問題が取り上げられる。
   
1999 スウェーデンのハーデル博士が、脳腫瘍と携帯電話に関する疫学調査を報告。携帯電話の使用と脳腫瘍の発生に統計的に有意な関連は確認できないが、携帯電話を使用する側の頭に脳腫瘍が2.5倍増加している。
   
2001 英国放射線防護評議会(NRPB)は「超低周波電磁界とそのがんリスク」で「一部の疫学調査から証拠としては弱いが、磁界が小児白血病リスクを増加させる可能性は疑問として残る。」
2002 国立環境研究所などによる初の全国疫学調査の中間解析の結果で、高圧送電線や電気製品からでる超低周波の電磁波(平均磁界0.4マイクロテスラ以上)で子供の白血病の発症率が2倍以上になると結果発表。
   
2011 世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は携帯電話の電磁波と発がん性の関連について、限定的ながら「可能性がある」との分析結果を発表した。
   
1987 ニューヨーク州送電線訴訟はニューヨーク州公益事業委員会の調停によって和解が成立したが、その和解過程において研究費500万ドルをかけて調査研究が行われた。 気になる研究結果だが、1987年の最終報告書でほとんどの研究において影響なしとの結論が出された。
1987 世界保健機関(WHO)は 「環境保健基準69(磁界)」において5,000ミリガウス以下ではいかなる生物学的影響も認められないとの結論。
   
1993 通産省 資源エネルギー庁 (電磁界影響調査検討会)は 「電磁界影響に関する調査・検討」 居住環境で生じる商用周波磁界により、人の健康に有害な影響があるという証拠は認められない。
   
1995 環境庁(日本環境協会)はWHOの知見を修正するに足る報告はこれまでに無い。
   
   
1996 米国科学アカデミーが過去17年間に発表された500以上の研究論文を総合評価し,「これまでの研究では,電磁波が人の健康に危害をもたらすことを示してはいない」
1997 米国国立がん研究所の疫学報告書「商用周波磁界と小児白血病との相関なし」
1998 総務省の研究グループ生体電磁環境研究推進委員会は「携帯電話の短期ばく露では脳(血液ー脳関門)に障害を与えず」と研究結果を発表
1999 総務省の研究グループ生体電磁環境研究推進委員会は「熱作用を及ぼさない電波の強さでは脳(血液-脳関門)に障害を与えず」と研究結果を発表
   
2001 総務省の研究グループ生体電磁環境研究推進委員会の中間報告「現時点では電波防護指針値を超えない強さの電波により、非熱効果を含めて健康に悪影響を及ぼすという確固たる証拠は認められない」との報告
2002 総務省の研究グループ生体電磁環境研究推進委員会は「携帯電話の電波による課題学習能力への影響は生じないことを確認」
     

我々一般人は難しいことは分かりませんので、研究結果だけを報道してもらえれば良いのですが、ここで、困った問題があるのです。研究機関の疫学調査や実験調査の研究結果の報告、論文というものは有害説を唱える人々は有害側に解釈し、無害説を唱える人々(企業)は無害側に解釈する傾向があるようなのです。(^^;
従って上の表においても有害説側に記載したものも、解釈の仕方によっては無害側になる場合もあるようなのです。
また、研究報告書によってもランクがあるようです。要するに信用度がどれくらいなのかということです。なかなか難しい世界ですね。
こうして見てみれば近年の日本(総務省関連)の研究機関の無害説が目立ちます。WHO(世界保健機関)では現在、関連機関である国際ガン研究機関(IARC)の呼びかけで、脳腫瘍と携帯電話の関係を探る国際的な疫学調査が進んでいます。携帯電話の研究では、これが人体を対象にした初の長期的な調査になります。日本もこの調査に参加しています。

2011年6月1日
世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は5月31日、携帯電話の電磁波と脳腫瘍リスクについて過去の調査を評価した結果、携帯電話の電磁波による脳腫瘍リスクには「限定的な証拠(limited evidence)が認められる」とする結果を公表した。同組織が携帯電話の電磁波による脳腫瘍リスクの可能性について認めたのは初めて。



ケータイ電磁波レポートのトップページへ戻る