携帯電話の電磁波とは?


電磁波って何だ?

電磁波という言葉を分解してみよう。電気の「電」、磁気の「磁」、波長の「波」。 電気の影響が及ぶ範囲を電場と言って、磁気の影響が及ぶ範囲を磁場という。 その電場と磁場がお互いに影響しあって作られる波のことを電磁波というんだ。
電気と磁気というと一見関係なさそうに思えるけど実は深い関係があるんだ。
波というくらいだから大波もあれば小波もあるわけだけど、その波が1往復する間に進む距離を波長と言うんだ。

波長は距離のことだよね。だから波長の単位はミリメートル(mm)とかセンチメートル(cm)とかメートル(m)とかだね。
それに対して、1秒間に作られる波の数を周波数と言って、その単位をヘルツ(Hz)って言うんだ。
1秒間に波が1往復するのが1ヘルツ。100回往復すれば100ヘルツというわけだ。
下の図では横軸が時間になっている点に注意。横軸が時間の場合の1往復を周期(サイクル)と言うんだ。

電波(電磁波)のスピードは光と同じなんだ。光が1秒間に進む距離は約30万km(地球7週半) だから30万kmの距離でいくつの波が形成されたかっていうことと、1秒間に波が何往復したかってことは同じことになるよね。 要するに波長が短い=周波数が高いということになるんだ。

さて、ヘルツって聞いたことあるよね。携帯電話の周波数は携帯電話の買取制度が始まった1994年頃から急激に普及して、当初は800メガヘルツ(ドコモのPDC、auのcdmaOne)や1.5ギガヘルツ(当時のJフォンやツーカー)の周波数を利用したいたけど、その後は増える一方の携帯電話やスマートフォンに対応するために割当周波数は増えていき、現在は800メガヘルツから3.5ギガヘルツを通信事業者各社が分け合って使っているんだ。ちなみに周波数の割り当ては好き勝手に出来るわけじゃなく、総務省が管轄しているんだよ。

MHzのM(メガ)は10の6乗(100万)だから、携帯電話の800MHzというのは800×100万回(8億サイクル)を1秒間に繰り返してるということ。 もうひとつついでに、GHzのG(ギガ)は10の9乗だから1GHzは1000MHz。1.5GHzであれば1秒間に15億サイクルの波ということ。 もーむちゃくちゃに波打ちまくりだね。

下の図のように色々な種類の電磁波があるんだ。
横軸を距離とすれば上の波は下の波より波長が長いと言える。
横軸を時間とすれば上の波は下の波より周波数が低い(周期が長い)ということになるね。

電磁波はマックスウェル(1831~1879)というスコットランドの学者さんが予言して、 それを実験で証明したのがドイツのヘルツ(1857~1894)って人。周波数の単位のヘルツはこのヘルツさんから由来しているんだ。 (800メガマックスウェルって言いにくいから?)
ふたりとも若くして亡くなっているけど、電磁波の研究で電磁波を浴びすぎたって訳じゃないよね。(^-^;

ケータイ電磁波とは?

電磁波について大体分かったところでいよいよケータイ電話の電磁波について説明しよう。
電磁波は電離放射線と非電離放射線に大別される。電離放射線は原爆の放射能に含まれるガンマ線やレントゲン撮影のときのエックス線、皮膚ガンの原因と言われる紫外線等、非常に危険な電磁波なんだ。
非電離放射線は我々に身近な太陽光線と電波(電磁波)のこと。一般的に周波数が3kHzから3THzまでを電波と呼んでいる。
さらに、電波にはたくさんの種類があって、その種類によってそれぞれ特徴があるので、電波の特徴に合わせて用途が決められているんだ。
電磁波って言うと人間が作り出したものだと思っていた人もいるだろうけど、光も電磁波の一種なんだ。電磁波は自然の中にもたくさんあるものなのだ。
「なぁんだ、自然界にもあるものなら安全じゃないの?」・・・なんて思ってはいけない。自然界にある電磁波と人が作り出す電磁波の種類は違うし、人工の電磁波が我々の居住空間に本格的に入ってきてからまだわずか70年程度なのだ。携帯電話に至っては平成6年4月の端末売切制によって一気に普及してきた訳だから、それを考えるとまだ20数年ぐらいしか経っていないんだよ。

下のグラフは日本の携帯電話とPHSの加入数の推移だけど、端末買取制度が始まった1995年から96年頃をスタートに急激に増え続けているね。当時は事業者も乱立状態で、低出力、低電磁波、低価格だったPHSはサービスエリアの狭さや移動に弱いというデメリットから競争に敗れて今や虫の息の状態になってしまったね。
2016年9月現在の契約数は1億6千万台を超えて(2016年9月現在)、普及率は128.5%と日本の人口を軽く超えてしまっているんだよ。基地局と端末とで、もはや日本中は電波(電磁波)だらけとも言えるかも知れないね。

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