携帯電話の電磁波(ケータイ電磁波)についての解説。携帯電話やスマートフォンの機種別SAR値(比吸収率)や電磁波の影響を減らすための使用時の注意点等をレポートにまとめました。

電磁波関連用語解説

電界(電場)
身近なところでは、プラスチックの下敷きをセーターなどでこすって頭に近づけると髪の毛が逆立つのは、静電気によって生じる「電界」によるものです。通常(+)と(-)の電気があると、この間に電圧が生じて「電界」ができます。
セーターなどを脱いだ時、パチパチと音がしたり、ドアのノブに触れた際にパチとすることがありますが、これも静電気による「電界」によって生じる現象です。
「電界」は、「電圧」がかかっているもののまわりに必ず発生します。
電化製品の場合は電源プラグが抜けている状態では何もありませんが、コンセントに差し込むとコードには「電圧」がかかり、その回りに「電界」が発生します。
「電界」の単位はキロボルト・パー・メートル(kV/m)
またはボルト・パー・センチメートル(V/cm)です。

磁界(磁場)
磁石の近くに砂鉄をまくと、N極とS極の間を結ぶ幾つかの筋ができます。これは、「磁界」の働きによるものです。
「磁界」は、磁石のまわりだけでなく、「電流」が流れているもののまわりに必ず発生します。
「磁界」の単位はガウス(G)またはテスラ(T)です。
10ガウス=1mT(ミリテスラ)

電磁波
電界と磁界が互いに垂直な方向に振動しながら空間や物質中を伝わっていく現象またはその振動電磁界
電磁波には、大きく分けて、高周波と低周波があります。携帯電話、電子レンジ、レーダー、TV電波などが前者であり、50/60Hzの家電機器や送電線から放出される極低周波や電磁調理器などからの低周波が後者です。なお、電磁波の単位は、電場(V/m)や磁場(GまたはmG)が使用されます。

疫学調査・実験研究
病気の原因と思われる環境因子を設定し、その因子が病気を引起こす可能性を調べる統計的調査。
疫学調査でよく知られた例としては,喫煙と肺ガンの関係があります。タバコを吸う集団の肺ガンの発生率と吸わない集団の発生率を比較して,喫煙量に対する危険の度合いを調査します。この危険の度合いは,相対危険比と呼ばれ「ある環境因子により病気の発生率が何倍になるか」を示しています。疫学調査に対して、動物や細胞に実際に電磁波をあてて、その影響や因果関係、メカニズムを確認することを実験研究と言います。 電磁波を人体に照射して人体への影響について調べるわけにはいかないので電磁波の調査研究は疫学調査かラット、うさぎ、モルモット等の小動物への実験調査となります。

SAR
比吸収率(Specific Absorption Rate)の略で、ある一瞬時に対象となる組織(たとえば脳細胞)を電磁波が通過することにより発生した熱の量を計測することから始まる。もう少し簡単に言うと、単位質量の組織に単位時間に吸収されるエネルギー量のこと。この値から、人体がある電波を発する機械から、一定の時間でどのくらいのエネルギーを受けるのかがわかります。
携帯電話等、小型無線機の場合は局所SARと言って、人体が電波にさらされることによって、任意の10g当たりの組織に6分間に吸収されるエネルギー量の平均値のことで、W/kgの単位で表されます。

EMI(Electro Magnetic Interference)
電磁障害、或いは電磁干渉と訳されます。不要な電磁波によって他の機器に影響を与え、希望する電磁気信号に障害が起こることをいいます。EMIには遠方界と近接界の二つがあります。

電離放射線
狭い意味での”放射線”のこと。波長が短く(エネルギーが大きい)、原子に付属している電子を引き離す能力(電離作用)を持っています。電磁波ではエックス線やガンマ線などが電離放射線です。
電離放射線の被曝量が多ければ生体に深刻な影響を与える(白血病やガン等の発生確率が増加する)ことが一般に知られています。

非電離放射線
光や電波など比較的波長が長い(比較的エネルギーが小さい)もの。先に述べた波長の短い放射線にくらべてエネルギーが小さいので、原子にぶつかっても電子を引き離す能力(電離作用)はありません。太陽光線や電気など、わたしたちにとって身近な存在です。 光(遠赤外線、赤外線、可視光線、紫外線の一部)、放送用電波、交流電源/電線/電化製品から発生する電磁波、マイクロ波(電子レンジや携帯電話)などが非電離放射線です。(ただし、紫外線は非電離放射線と電離放射線の境界に位置します。周波数の高い一部の紫外線は電離能力を持ち、生体組織を破壊します)。

ガウス・テスラ
1平方センチあたりの磁束密度の国際単位で、磁力の強さを表します。ちなみに現在はミリテスラ(mT)が主流です。1テスラは1万ガウス。地球の地磁気が0.5ガウス、掲示板などに使われる磁石が数百ガウス、大手健康機器メーカーの肩こりを取る人気商品が800~1,800ガウスとなります。10ガウス=1mT(ミリテスラ)
平成9年から磁気の国際単位はテスラに変更されています(1ガウス=0.1ミリテスラ

WHO(世界保健機構)
WHO(World Health Organization)とは国際連合の中の専門機関の一つで1948年に設立。国際保健事業の調整・援助、伝染病や風土病の撲滅、保健関連条約の提案・勧告、医療・衛生等の国際基準の策定といった幅広い任務を受け持つ機関。電磁波問題については下記の基準を発表している。
環境保健基準第35巻(1984年)     10kV/m以下の電界では、立ち入りを制限する必要はない。
環境保健基準第69巻(1987年)     50G以下の磁界では、有害な生物学的影響は認められない。
5G以下の磁界では、いかなる生物学的影響も認められない。
現在、WHO(世界保健機構)の関連機関である国際ガン研究機関(IARC)の呼びかけで、脳腫瘍と携帯電話の関係を探る国際的な疫学調査が進んでいる。携帯電話の研究では、これが人体を対象にした初の長期的な調査になる。研究結果が出るのは、2004年頃の予定。WHOホームページ http://www.who.int/en/

ホットスポット効果
ある一定の大きさのボール状の物体に電磁波を浴びせると、その中心に電磁波が集まり、熱を発生させるというもの。この報告が衝撃的だったのは、そのある一定の大きさが、直径20cm、人間の頭の大きさとほぼ一致していたことにある。 電子レンジで食物を加熱したとき、中心部が特に熱くなることがあります。これもマイクロ波によるホットスポット効果と言えるでしょう。

電磁波過敏症
日本では、まだ認知されていない病気ですが、「電磁波過敏症」と呼ばれる症状があります。
電磁波に過敏なため、身の回りにある微弱な電磁波を浴びただけでも、頭痛や吐き気を感じてしまう人々がいます。
電磁波過敏症は、アメリカの医学者ウィリアム・レイ博士によって命名されました。
博士によると、電磁波過敏症の患者の特徴は、最初に目、皮膚、神経に症状が現れます。そして次に呼吸困難や動悸、めまいや吐き気などの症状が現れてきます。また、疲労感やうつを伴う頭痛や短期的な記憶喪失、手足のしびれやまひが起こってくる人もいます。

国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)
放射線防護活動の国際的交流を目的として設立された国際放射線防護学会(IRPA)が、非電離放射線に関する新しい独立専門組織として1992年に設立。様々な種類の非電離放射線に関連する可能性の考えられる生物影響を調査し、非電離放射線曝露限度に関する国際指針を作成し、非電離放射線のあらゆる問題を扱うために活動。

スチュアート報告
2000年5月にイギリスで発表された携帯電話の電磁波に関する報告書。政府の委託で報告書をまとめたのは、イギリス・タイサイド大学病院のスチュアート院長をはじめとする研究グループ。SAR値の表示や子供の際限のない携帯電話の使用禁止などの警告を発した

誘導電流
電界があるところでは、電子が動いて電流が流れることがあります。磁界が変化した場合も電流が流れます。これを誘導電流といいます。

セル
携帯電話の通信システムは、「端末」と「基地局」とが互いに電波を使って通信し合っています。基地局から電波の届く範囲を「セル」と呼ばれる小さなエリアに分割し、それぞれのセルに基地局が設置されており、端末がその時通信しているセルの範囲から出て、他の場所へ移動しても、再び次の範囲(セル)にある基地局と通信する方式を、セル方式による移動通信システムと言います。携帯電話もこのセル方式を利用した移動体通信システムです。

周波数割当計画
「周波数割当計画」は、電波法第26条第1項の規定に基づき、免許の申請等に資するため、総務大臣が作成し公開する「割り当てることが可能である周波数の表」です。周波数割当計画には次の事項等が記載されており、無線局免許における周波数の割当可能性に関する審査基準として用いられます。
周波数割当計画は一般に公開されています。

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